花明かりの夜に

ふと興味を持ったように、紫焔の目がきらめいた。


「そういえば君は、春日に戻ってからどんな仕事を?」

「桔梗さまに書物を読んで差し上げています」

「……ああ。

確か、病で目が弱くなったのだったな」


形のよい顎に手を当てて、納得するようにうなずく。


「はい。あんまり遅くなると暗くて読めないですし」

「……日の出ている時間に、だれか別の人間が読んでやるといいのに」

「……」


それはもっともだ。

沙耶は言葉に詰まった。


(だけど……この役割を人には渡したくない)