花明かりの夜に

「好きに出来るって、本当に好きに出来るのか?」


30文くらいならはした金だとばかりに男たちはわらわらと押しかけた。

ソバ1杯くらいの代金で、“若く美しい女“を自分の好きに出来るかもしれないのだ。

物珍しさもあり、口コミも呼んで、初日から客席は肩を寄せあってぎっしり座るくらいの超満員。



(一体何が始まるの?)


大入りになった客席を袖からこっそり盗み見て、沙耶はおそれおののいていた。

ほの暗い中でも、男たちの目がギラギラしているのがいやというほど見えた。


(怖い)


「よし、あやめ。お披露目だ」

「きゃあッ」


突然背後から肩を叩かれて、沙耶は悲鳴をあげる。