花明かりの夜に

 * * *


「おい、沙耶。

いい出し物を考えついた」


新しい見世物小屋を見に来たあの日から10日ほどが経っていた。

毎日毎日、それこそ朝から晩まで飽きもせず沙耶を弄んでいた弥之介は、にやにやといやな笑いを浮かべながら、沙耶に持ちかけたのだった。


「沙耶。おまえの美しさは金になる。

――おまえは今日から“あやめ”だ。

どうだ、いかにも別嬪そうな名前だろ?」

「……」


無反応でただ顔をそむける沙耶をよそに、弥之介はせっせと準備を始めた。


弥之介には、ある種の商才があったことは確かだったようで。

借りた見世物小屋をきれいに整えると、こんな看板を出したのだ。