花明かりの夜に

「桔梗さま、わたしが毎日本を読んで差し上げます」


沙耶の申し出に、桔梗は大変喜んだのだった。



「いいえ、桔梗さま」


沙耶はきっぱりと首を横に振った。


「ぜんぜん疲れてなんかいません。

お給金もいただいておりますし、読ませてください」


申し訳なさそうな表情の桔梗に、ほほえんだ。


「それに、わたしも読みたいんです。

昨日の続きが気になってしまって。このまま眠れそうにありません」


返事を待たずに、本を開く。