“麗しき若君の次なるお相手は、○○の姫君か”
きらびやかな絵とともに悲恋仕立てでつづられているそれは、まさしく皆が噂している渦中の姫君とのお話。
(おさかんなことね)
眉を上げて肩をすくめつつ、最後まで読むと。
歩きながら瓦版を小さく畳んで懐に入れ、春日家の屋敷の門を足早にくぐった。
玄関の扉を丁寧に閉めると、暗い廊下をめざす部屋へまっすぐに向かう。
「桔梗(ききょう)さま。
たいへん遅くなりまして申しわけございません」
桔梗はすでに、自室で枕に肘をかけて横たわっていた。
行灯の灯された暗い部屋で深々と座礼すると、沙耶は積み上がった本から目あての本を探す。
「すぐに始めますから」
「……沙耶さん」
きらびやかな絵とともに悲恋仕立てでつづられているそれは、まさしく皆が噂している渦中の姫君とのお話。
(おさかんなことね)
眉を上げて肩をすくめつつ、最後まで読むと。
歩きながら瓦版を小さく畳んで懐に入れ、春日家の屋敷の門を足早にくぐった。
玄関の扉を丁寧に閉めると、暗い廊下をめざす部屋へまっすぐに向かう。
「桔梗(ききょう)さま。
たいへん遅くなりまして申しわけございません」
桔梗はすでに、自室で枕に肘をかけて横たわっていた。
行灯の灯された暗い部屋で深々と座礼すると、沙耶は積み上がった本から目あての本を探す。
「すぐに始めますから」
「……沙耶さん」

