花明かりの夜に

二枚目俳優にそんなことを言われて、すっかり舞い上がってしまったのだ。


「何なら今晩でも、そいつの見世物小屋を見に行ってみないか?」

「あ……はい」


誘われてのこのこついていった先で。

誰もいない小屋に足を踏み入れると弥之介は突然、乱暴に沙耶を床に引き倒した。


「……なぁ、いいだろう?」


(いいって……何が、よ)


「おまえのことは、前から目を付けていたんだ」

「やめて、何すんのよ――」

「今さら何を言ってる?

喜んでついてきたクセに」


(そんな――そんなつもりじゃ……

だって、芝居小屋を見に行こうって言ったじゃない)