花明かりの夜に

「おまえ、俺と組まないか?」

「え? ……あたしと?」

「ああ。おまえと、さ。

おやじさんもおまえを買ってた」


一見気さくでやさしそうに見えた、あの男。


「俺に見世物小屋を貸してやってもいい、ってな奴がいてな。

おまえなら客が集まる。

なんせ、別嬪だしな」


かるく片目をつぶって、弥之介はそう言った。


(……弥之介さん)


そんなありきたりの台詞にも頬を染める自分がいた。


――あまりに若く、世間知らずだった。