花明かりの夜に

何に対して笑えというのか。

さして笑いたいようなこともないというのに。



(そうだ……

剣のお相手をしないのなら、そろそろおいとましなくっちゃ)


そもそも何のために呼ばれたのか忘れそうになった。

単に自分は、剣の稽古相手として呼ばれているにすぎないのだ。


そわそわしだす沙耶に、独り言のように紫焔はつぶやいた。


「ねぇ、沙耶。

君は護衛なんかに向いているかもしれないね」

「護衛……ですか?」


沙耶は眉を上げた。


「ご冗談を……女が護衛など」