花明かりの夜に

やがて、そんな身軽さ、反射神経の良さを見出だされた沙耶は、本格的な剣舞をみっちり仕込まれることになる。

そのうち殺陣での立ち回り役で舞台に立つまでになった。


(毎日が初めてやることばかりで。

毎日それこそ目が回るようだった……悲しみなんかに浸っているひまもなかった)


それはそれで、悪くない境遇だったのかもしれない。


このままずっとこんな日が続くものだと思っていた。


――あの日までは。




 * * *