花明かりの夜に

じきに入り浸るようになり、気づけば住み込んで働くようになっていた。

すねに傷もつ人間がたくさん出入りするなか、ひとり小さな子どもが増えたところでだれも疑問を持たない、そんな世界。


(毎日一座のお手伝いをすることで、忙しさに気も紛れたっけ)


芝居の衣装を作ったり、舞台用の道具を作ったり。看板を書いたり。

役者さんのお化粧をしたり、髪を結ったり。

舞台のお手伝いをしたり、果ては大きな舞台の設営をしたり。

当然大したことなど出来ないのだけれど、誰も小さな子どもにそこまで期待などしない。

「あれやって」「これやって」と言われることを、ただ見よう見まねでこなしていた。


年の近い役者や軽業師のたまごたちとの遊びは、綱渡りや木登り、忍者ごっこにチャンバラごっこ。

なにせ大工の娘、小さい頃から父の姿を見ていたから、高いところにのぼることには抵抗がない。

特に木登りは誰よりもうまかった。