花明かりの夜に

穢らわしい、軽蔑すべき男たち。

頭のなかは自分の欲でいっぱいの。

“女は征服し、服従させるもの”

そういう認識でしかないのだから。

いや、単に欲望のはけ口くらいにしか思っていないかもしれない。


(この方も本質はあの男たちと何も変わりはない。

――しょせん男なのだから)


位が高く、美しく聡明だからといって、男であることには変わりない。


紫焔が手を掛けるふすまを閉めるのをあきらめて、沙耶は立ち上がった。

籐カゴを抱えて、ふすまの前で一礼する。


「それでは、失礼……」


顔を上げると、ほんのり笑みをおびた黒い瞳が目の前にあった。