花明かりの夜に

(わたしの剣なんて、舞台の殺陣用に教えこまれた剣技だもの。

浪人くずれの役者に教わったから、おそらくは本格的なんでしょうけど。

刀身を、それこそ火花が散るくらいにぶつけ合うのが評判だったから)


「……若さまとお手合わせいただけるような腕なんて、ありませんから」

「さっきわたしに突きを入れたのは誰?」

「あんなのはまぐれです。

それに……」


沙耶は首を振った。


「申し訳ありませんが、このお屋敷のおつとめが終わったら、春日さまのお屋敷に戻っておつとめがあるんです。

ですから……」


紫焔は優雅に首をかしげた。