花明かりの夜に

「……?」


探るようなまなざしを感じつつ、どう言い逃れしようかと考えながら。


ふいに意識に立ちのぼってくるイヤな記憶に、必死でフタをする。


“おまえのことは、ずっと目をつけていたんだ”


いくら抗ってもとてもかなわない、強い力――



「春日にはいつから?」


紫焔の声に、ハッとわれに返る。

流し気味に、さりげなく沙耶の目を覗き込む、探るような黒い瞳。


「……春日さまのお屋敷には、16のときからお仕えしております」

「……ほう」