花明かりの夜に

「きゃあっ」


ガンッ


とっさに竹刀で刀身を受ける。

両手のひらにガツンと伝わる強い衝撃。


「若さま、何を――」


反射的に飛びすさり、体勢を立てなおして竹刀をさっと構える。

さっきの衝撃で手のひらがじぃぃんと痺れていた。


(本気でお打ちに――?)


「よく受けたな。大した反射神経だ」


目を細めてにやりと笑みを浮かべながら、紫焔は竹刀をピシリと構えなおした。

なかば開いた障子から入る風が、肩に流れ落ちているつややかな黒髪をさらりと揺らす。