花明かりの夜に

紫焔がゆらりと立ち上がると、そのすらりとした長身の肩から、白い寝間着がはらりと落ちた。

引き締まった肩がむき出しになる。


(わ……)


心の臓がびくんと跳ねて。

あらわになった肌から急いで目をそらせて、こっそり伸ばした手で籐カゴを取ると、そそくさと御帳から離れた。



(いやだ、わたしったら――男に見とれるなんて、柄でもない。

美しい男なんて大嫌いなのに)


美しい男だけじゃない。

男はみんな、欲望だらけの野蛮な生き物なのだから。