花明かりの夜に

やっぱり自分は――

ここにいてはいけない――



“今度は逃げちゃいけないよ”


紫焔の落ち着いた声が脳裏に突然鳴り響いた。


“逃げてもずっとそれはついてくる。影のように。

――君が過去から逃れられなかったように“


(そんなこと言ったって、どうしたらいいの?

――お願い、教えて、紫焔さま)


目を閉じてただ祈る。


(助けて! 紫焔さま)