「わたし、何も言わずに出て来てしまって……」
今さら、どんな顔をして帰れるというのか。
「はは、心配ない。
誰にだって失敗はあるし、みんな人の失敗にはやさしいものだよ」
紫焔はほほえんだ。
「例えばね。
沙耶を探す手がかりをくれたのは桔梗だった。
きっと桜のきれいなところにいるに違いない、とね。
あの子はきれいな桜があると、いつも歩を止めてじっと見ていたと」
「……桔梗さまが……」
(桔梗さまが、そんなふうに思ってくださっていたなんて、知らなかった)
今さら、どんな顔をして帰れるというのか。
「はは、心配ない。
誰にだって失敗はあるし、みんな人の失敗にはやさしいものだよ」
紫焔はほほえんだ。
「例えばね。
沙耶を探す手がかりをくれたのは桔梗だった。
きっと桜のきれいなところにいるに違いない、とね。
あの子はきれいな桜があると、いつも歩を止めてじっと見ていたと」
「……桔梗さまが……」
(桔梗さまが、そんなふうに思ってくださっていたなんて、知らなかった)

