花明かりの夜に

「……」

「もう発表してしまったからね。

断らないでくれる?」


「……うそ」


言葉の意味が少しずつ、頭に浸透して。

信じられずに思わずぽかんと口を開いたまま。


「……そんな、どうして……」


それ以上、言葉がまるで出なかった。

唖然として固まったままの沙耶の頭を、紫焔は笑いながらただやさしく撫でた。


 * *


月明かりを受けて、満開の桜がぼんやりと光っていた。

それはまるで大きなぼんぼりのように。