おどけた口調にも顔を上げない沙耶に、紫焔は穏やかに続ける。
「君の傷の深さを見誤っていた。
――沙耶の過去など取るに足らないと、すべて知った上ですべてを受け容れると、
そして、君がとても魅力的だと、そう言いたかっただけなのだけど」
「……若さま」
やっと顔を上げた沙耶に紫焔はにっこりほほえんで、ふたたびしっかりと抱いて引き寄せた。
耳元で、そっとささやく。
「探したよ、沙耶」
(――え?)
「……なぜ?」
「君の傷の深さを見誤っていた。
――沙耶の過去など取るに足らないと、すべて知った上ですべてを受け容れると、
そして、君がとても魅力的だと、そう言いたかっただけなのだけど」
「……若さま」
やっと顔を上げた沙耶に紫焔はにっこりほほえんで、ふたたびしっかりと抱いて引き寄せた。
耳元で、そっとささやく。
「探したよ、沙耶」
(――え?)
「……なぜ?」

