花明かりの夜に

「はい」


ごみを集めて、何かを振り切るようにパンパンと手で服のほこりをはたくと。

ほうきとちりとりを片付けに、小屋の中に入る。


「おや、あれは――?」


主人の声に、沙耶は小屋から半分首を出した。


「……?」


まっすぐな道の向こうから、土煙を立ててやってくる一頭の白い馬。


(あの馬は――)


馬上からひらりと降り立って。

春先の強い風に黒い髪をなびかせるままに、その頬に浮かぶあでやかなほほえみ。