花明かりの夜に

「よくかわしたな」


ふたたび悠然と剣を構え直す。


「それは――

君自身が“自分を愛していない”からだ」

「……」


(あ……)


“自分を愛していないから”


「自分を愛していない人間をいくら愛しても、満たされることがない。

穴のあいた器のようなものでね」

「……」


(ああ……)


ふいに、足場のない地面の上に立っているような気がして、よろめいた。