花明かりの夜に

いつもの少年のような明るい笑いとは違う、嫌味たらしい皮肉な笑い方。


「そうだな……

わたしにひとすじでも怪我をさせることができたら――

いや、着物の一部でも破くことができたら、髪の毛一本切ることができたら、

沙耶――君の勝ちとしよう。

そのときは、仕事を掛け持ちするなり春日に戻るなり、好きにするがいい」

「……」

「逆に沙耶――おまえの体にひとすじでも真剣が触れたら……

わたしの勝ちだ。


そのときは、わたしの好きにさせてもらうよ」


鞘からすっと抜いた真剣が、きらりときらめいた。


「若さまの、好きに――?」

「ああ」