花明かりの夜に

(わかってる。

恩義などと言いながら、実はわたしが愛されたいだけ――桔梗さまに。

確かな居場所が欲しいだけ)


ただ桔梗の愛情を得たくて必死になって、

尽くして、尽くして――それでも――


(桔梗さまはわたしの母親じゃない)


「でも、わたしは……」


(桔梗さまを、わたしから取らないで!)

(桔梗さまは、わたしの――)


「それとも君は、桔梗のそばにぴったり一日中いたいの?

――母親のあとを追う幼子のように」


紫焔のからかうような、それでいでどこか冷ややかな瞳をじっと見つめて。


ごくり。