花明かりの夜に

「……桔梗さま、このところ帰りが遅くて申し訳ありません。

お時間どおりに帰るようにしますから。

……ですからそのような」

「いいえ、その必要はないの」


桔梗はやんわりとさえぎって、沙耶を部屋へ招き入れた。

座って、お茶で口を潤してからゆるりと口を開く。


「……実は今日のお昼、紫焔さまとお話してね」

「……若さまと?」

「久々にゆっくりお話出来て、楽しかったわ」


うれしそうな桔梗のようすに、なんだかいやな予感がした。


「沙耶さんをお屋敷に住み込みにできないか、って」

「……住み込みに?」