花明かりの夜に

思い出すだけでゾッとする)


数々の男たちに触れられたこの皮膚に、くっきりと手形が付いているように思えた。

無数の汚い手形。

汚い体。

汚いわたし。


(逆に男なんて簡単なものね。

あれさえすればいいんだから。馬鹿みたい。

大嫌い。気持ち悪い)


今まで抑えていた感情が急激にほとばしる。


(もっと早く出て行けばよかった)


逃げてみると、意外と簡単だった、と思う。

まったくの無一文だけれど。