「――――ってことがあったの。」

今は昼休み、屋上で私は昨日のできごとを全て真輝に話した。

「光……おめでとぉー!」

真輝が私に抱きついてくる。

「ありがとう、真輝に諦めるの?って聞かれたとき、諦めるって言ってたらこうはならなかった。ホント、ありがとね。」

そう言って私も真輝を抱きしめ返す。

「あーあ、あたしも彼氏ほしいなぁ。」

突然真輝が呟く。

「え、ちょ、真輝?私、付き合ってないよ?」

私と先生は両想いになったけど、昨日付き合うという話は出ていないため、付き合ってはいない。

「はぁーーーー!?好きって言われたんでしょ?それなのに付き合ってないってなに?」

「そういう話…まだしてない……」

私は付き合いたいと思っているけど、先生もそうとは限らない。第一、付き合ったとしてもその事がバレたら大変なことになる。

「先生に、迷惑かけたくないの。バレたら先生学校辞めさせられちゃうよ。そんなの嫌。私、卒業まで先生を想っていられる自信あるから、付き合うのはその後でもいいって思ってる。」

「光………」

ガチャ

屋上の扉が開く。

「あ………」

「吉里………と佐藤。」

扉を開けて入ってきたのは今ちょうど話題になっていた張本人だった。

「ちょ、今先生私のこと光のおまけみたいに言った!!」

「ははっ、そんなことないって。ごめんな?」

たったそれだけの会話なのに、話してたのは親友なのに、胸がチクンとした。

「ちゃんと話しなね?」

と私にだけ聞こえるように小声で言うと真輝は屋上から出ていった。