「ごめん…落ち着いた。」

「そっか、もう大丈夫?」

「ん、ありがとね。」

キーンコーンカーンコーン

そのときちょうど始業開始5分前のチャイムがなる。

「行こっか。」

そう言って私たちは教室へと向かう。

まだ先生の顔を見るのツラいなぁ。

すると隣を歩いている真輝が前を向いたまま「諦めるの?」と聞いてきた。

諦める…そうしなくちゃダメだと思ってた……でも好きでいるくらい、いいよね?


「諦めない!!」

精一杯の笑顔でそう言って私は走り出した。

「教室まで競争だよーーーー!」

と振り返って真輝に言うと私はまた走り出す。

「光ーーー!待てーーーー!」

そう言って後ろから追いかけてくる真輝。

「きゃーーー!真輝こわすぎー!」

私たちはさっきまで泣いていたことが嘘みたいに笑いながら教室に着く。

「真輝、ありがとね!」

それだけ言って教室に入る。