だが私は最後の1冊を置く棚が届かず格闘中。恥ずかしながら身長152㎝の私には一番上の棚は高すぎる。

グラッ

「わわっ、」

バランスを崩し後ろに倒れそうになったところで温かいものに包まれる。

「危ねーな、こういうときは俺を呼べ。」

そう言いながらも私は今先生に後ろから抱き締められている。

「せんせ―――」

振りほどこうとした瞬間、さらに先生の腕に力が入る。

「吉里…」

うそ…先生…?

トクン トクン

しばらくして私は先生の腕の中から解放される。先生の顔を覗きこむと真っ赤だった。

「先生……」

“好き”と言おうとして飲み込む。

言ってはいけない、そう思った。

「吉里…」

もう一度私の名前を呼び、本棚に追いやると先生は――――――――












私にキスをした。