「おい。」

HRも終わり帰ろうとしているところで、隣の席の男子に声をかけられた。

この1ヶ月間一度も話しかけてきたことはない。

「名前は?」

「吉里 光。」

素っ気なく返したが、よく見ると整った顔立ちに180くらいはある身長。真っ黒な髪はサラサラで思わずさわりたくなる。

「俺は真田 義樹、よろしくな。」

「よろしく。」

なんで私なんだろう。他の人に声かければいいのに…

「とりあえず、LINE交換しとくか。」

あんまり乗り気ではなかったが、面と向かって言われれば断りづらい。

「まぁ、いいけど。」