「....本当は、告白する気もなかった。ただ君が、話してみたら思った以上に素直な子だったから」



先輩はその長いまつげを伏せて、優しい声で、言った。



「...自分でも驚くくらい、伝えたくなった」



気づけば私は、ボロボロと泣いていた。


この前は無性に泣きたくなった、なんて思ったけど、もう無理だった。

涙腺は崩壊だ。

ムードぶち壊し。


私の鼻をすする、ズルズルという音が教室内に響く。



「....なんでそんなに素敵なんですかぁ、先輩。私、やっぱり先輩と友達続けられません。先輩を宙ぶらりんにしておくなんて、恐れ多すぎるーーーっ」

「....喜んでいいのかわかんないね。別に宙ぶらりんでいいんだけど、僕は」

「良くないです良くないですーっ」

「...言っただろ、僕だって初めてなんだよ。君が思ってるほど僕はスゴい奴じゃない。...今まで、見てるだけだったんだ。こうして君と話せてる今の方が、僕にとってはずっといい」


そのとき、ずっと机の上に座っていた先輩が、立ち上がった。

そして、立ってる私の前に立つ。