キミじゃなきゃダメなんだ




「ちょっと...丸岡さん、落ち着いて」


私が涙目になっているのに気づいたのか、先輩が私の腕を離す。


う...だって。

思わず頬を膨らますと、先輩はポン、と私の頭を撫でた。


一気に顔が熱くなって、慌てて俯く。


「...せ、先輩、やめてください」

「...なんで?」

「とにかくダメなんですっ」


バッと頭の上から先輩の手を離す。

ふと後ろを見ると、松原先輩は今度はポカーンとしていた。



「....ヒサが、女子の頭撫でた....」



その呟きに過剰反応したのは、私だった。


かあああとまた顔が熱くなって、前を向く。

汐見先輩と目を合わせるのも恥ずかしくて、うつむいた。