汐見先輩は私の言葉に、少しだけ目を見開いた。
そして、突然立ち止まる。
あと少しで靴箱なんだけど、どうしたのかな。
い、嫌だったのかな。今の。褒めたつもりだったんだけどな。
不安になって、私も立ち止まる。
「....先輩?」
見つめると、彼はまっすぐに私を見つめ返した。
その瞳に、ドキリとする。
....あのときのだ。
私に『好きです』って言った、あのときの目。
先輩は、二歩分くらい空いた距離を埋めるように、足を踏み出す。
そして、静かに口を開いた。
「....丸岡さんだから、だよ。君だから話を聞きたいと思うし、言葉を返したいと思う」
どく、どく、と心臓が音を立てる。
先輩の瞳には、迷いなんか一切もなくて。
「.....この意味、わかるよね?」
そう言われた瞬間、顔が真っ赤になるのを感じた。
まるで、確認するみたいに。
ちょっと上目遣いで、首をかしげて。



