それに合わせて、一部の男子がめんどくさい。
一年の頃は、調子になんか乗ってないのに、二年の男子に『ちょっと顔が良いからって調子に乗ってんじゃねーよ』と言われて殴られかけた。意味がわからない。
ほんとに勘弁してほしい。
好きでこの顔に生まれてきたんじゃない。
両親だって、特別顔がいいわけじゃないのに。
いつかに母親が、僕の顔を見ながら言った。
『あんたの顔は、母さんの二重と父さんの中の上の顔が、奇跡的に合致した結果よ。神様に感謝なさいね』
我が母ながらすごく失礼だ。
感謝なんかできないし。むしろ恨んでるよ。なんで奇跡的に合致とかしちゃったんだよ。おかげで大迷惑だ。
毎日めんどくさい。つまんない。なにひとつ面白くない。
そういう僕の、退屈な日常。
爆弾は雨上がりの朝、電車の中で、いきなり落とされた。
「あの、すみません」
すぐそばで、女の子の声が聞こえた。
高いのか低いのか、よくわからない。中間くらい。
聞き取りやすい声だと思った。