キミじゃなきゃダメなんだ



汐見先輩もついていけないと思ったのか、ため息をついて私の方を向いた。


「...放っとこう。行こうか、丸岡さん」


当然のように言われて、ドキッとした。

そ、そうだよね。

友達...だし。


「は、はい」


返事をして、ふたりで校舎へ歩き始める。


なんか...視線を、感じる。

先輩じゃなくて、今度は周りから。


さっき松原先輩も、『ヒサに女の子の友達いたんだ』なんて言ってたし。

たぶん、汐見先輩が女子と歩いてるのって、すごく珍しいんだろうな。


さっきの『友達です』発言も相まって、ますます不安になる。