キミじゃなきゃダメなんだ




『好きです。付き合ってください』



頭の奥で、先輩の声が響く。

開こうとした唇が、震えた。


またじわりと涙が出てきて、視界が歪む。でもそれを拭うような余裕は、今の私にはなかった。

ちゃんと、目は合ってるから。


...一言だけでいい。

それだけで、このひとにはぜんぶ伝わる。




「好きです」




やっぱり声も、ちょっと震えた。

先輩の目が、ゆっくりと細められていくのが、見えた。



「私と、付き合ってください」



その瞬間、手が引かれた。

強く抱き締められて、一瞬だけ混乱する。

でも知ってる安心感に包まれて、涙が出た。



「....ありがと.....」



耳元で、彼が少し掠れた声で囁いた。

抱きしめ返したいと思った。

もうそうしていいんだと気づいて、思いきり抱きついた。