キミじゃなきゃダメなんだ



....もしかして、榎本先輩、まだいるのかな....?


息を切らしながらそっと、ドアについてる小さな窓から、中の様子を伺う。


....あ。

教室の教卓のそばで、先輩の後ろ姿と、綺麗な笑みを浮かべる、女子生徒が見えた。


ドキ、と心臓が鳴る。

...見なきゃよかったな。


そう後悔した次の瞬間、私は目を見開いた。



....笑ってる。

先輩が、小さく笑ってる。



なんで....?


途端に沸き上がってくる、嫌な気持ち。

もやもやした、気持ちが悪い感情。


...なんでちょっと、頬赤いの?

その表情、私だけにくれてたんじゃないの....?


....やだ、やだ!


だめだ、無視!無視!

気にしない気にしない!