キミじゃなきゃダメなんだ



西日が射してきた教室を、ぼーっと見つめる。

そうしてると、なんかアンニュイな気持ちになるというか、どうしても先輩のことを考えてしまう。


あー、緊張でお腹痛くなりそう。

フラれるかもしれないという可能性がないだけ、私は世の乙女より楽だと思うけど。


それとは違う、緊張がある。

好きなひとに、好きですということ。

軽い気持ちじゃないからこそ、緊張する。


課題でもして、不安を紛らそう。


数学のプリントを取り出して、眺める。


...あ。この問題、前のテストのとき先輩に教えてもらったやつ.....


「............」


あああああーーー。


だめだぁ、頭の中から先輩が消えないぃ。お腹いたいーっ。


ゴツンと机に額をぶつけて、落ち着こうと試みる。スーハースーハー深呼吸する。騒がしいな私。


「....うええ....もお~....」


なんなんだ。

告白って、恋愛スキルゼロの私には、難易度高くないですか?