ドキドキしながら時間が過ぎるのを待っていると、あっという間に放課後になってしまった。
「じゃーね、マル。あたしらは先に帰るけど、逃げるんじゃないわよ」
肩に両手を置かれて、チョコちゃんに念を押される。
「ハイ。絶対逃げませんです!」
「どんな形であれ、気持ちさえ伝えられればいいんだからね。あんたの場合、上手く行かないなんてことあり得ないんだからね」
「ハイッ」
「大丈夫だからねえ、マル。安心して、リラックスして挑めばいいんだよぉ。先輩はぜーったい喜んでくれるから」
「わかった!」
ふたりの友の激励を胸に、丸岡はがんばるよ!
里菜とチョコちゃんは、教室を出る直前まで不安そうに私を見ていた。どんだけ心配かけてんだ、私。
まぁ、そうだよなぁ。
先輩に告白されてからというもの、先輩はもちろん、あのふたりのことも散々振り回してしまった。
気苦労と心配をたくさんさせた。
今日の告白が上手くいったら、三人でどっか遊びにいこう。誠心誠意尽くさせていただこう。
やがて教室には、私以外に誰もいなくなった。



