壁新聞ね。
ふたりで、つくってるわけね。
想像したくもないのに、つい考えてしまう自分が嫌で。
なんで急に私が不機嫌になったのかわからなくて、困った顔をする先輩になんでかムカついて。
どんどん、心の中が真っ黒になってく。
....余裕なんか、どこにもなかった。
「広報委員会って、榎本先輩ってひと、いますよね」
あの美人さんの名前は、松原先輩から聞いていた。
汐見先輩は、私の質問の意味を図りかねているようだった。
「...よく知ってるね。同じクラスだよ」
知ってる。
同じ教室で話してるふたりを、見たもん。
私が入れない場所で。
話してるの、見たよ。
...私だって、わかってるんだ。
榎本先輩が、汐見先輩のこと特に何とも思ってなさそうなこと。
汐見先輩が、私を好きなこと。



