「この段ボール、どこに運ぶんですか?」
段ボールをひとつずつ抱え、ふたりで廊下を歩く。
すれ違った二年生の女子に睨まれたけど、全く気にならなかった。
「会議室」
「先生に頼まれものですか?」
「ううん、委員会の仕事。このあと会議あるから」
...あ。
委員会、ですか。
「....そうですか...」
じゃあこのあと、あの美人さんと過ごすんだ。
私がこの段ボールを運び終えて、別れたら。
....あのひとと。
「...........」
突然黙り込んだ私に、先輩が少し戸惑っているのが、なんとなくわかった。
....嫌な女。
こんなことでヤキモチ焼くなら、とっとと告白しろよ。



