キミじゃなきゃダメなんだ



「ええ?なんでですか、怒って下さいよ。それでどうして怒ったのか、教えて下さい」

「....百合は、よっぽど僕のこと恋愛対象として見れないんだな、って思っただけ」

「....えっ?」


恋愛対象?え?バリバリ入ってますけど?

むしろ入らないはずがなくないか?


「...え?なんですかそれ。私が、先輩のこと恋愛対象として見てないって言いたいんですか?」

「そう。僕も水かけられるまでは冷静じゃなかったけど、今考えるとあり得ない話だよね」

「当たり前ですよ。私はそんなにアホでも鈍感でもありません」


今はまだ『友達』だけど、先輩は私のことが好きだって言ってるし。

この関係は、私が先輩のことが好きだと思うまで待ってもらっている状態なのだ。いわば恋愛を前提にしてる友達。


「そうだね。でもキスを拒まれたとき、本気でショックだったんだよ。あんなに平気で抱きついてくるくせに、って」

「!!」


やっぱりあれかー!あれがダメだったのかー!!

再び土下座したい。額を床につけそうになったけど低い声で「やめろ」と言われてやめた。怖い。