キミじゃなきゃダメなんだ



「..............」


...長い、沈黙が落ちる。


さっき先輩はなにしかけてたんだとか改めて考えると顔が熱くなってきて、だけど沈黙が怖くて。

ふいに、右手がすっと離された。


....え?



「もういい」



先輩の冷たい声が、辺りに響いた。


....『もういい』...?


え?

どういうこと?

....先輩?


顔を上げると、彼の顔が見える。

その表情は、少しも優しくなくて。

視線は、下の方。


冷たい目をして、彼は私の前に立っていた。