キミじゃなきゃダメなんだ



辺りはそろそろ日が落ちてきていたけど、人の数は昼間とあまり変わりなかった。


「はい」

「こうやって男と出掛けたこと、前にもある?」

「...私ですか?」

「他に誰がいるの」


私か。そりゃそーだ。

うーん....なんか言いにくいな。さっき色々あったしな。


でも、なにより正直でいたいし。このひとの前では特に。



「あります、ね」



目を合わせる勇気はなかった。

案の定、沈黙が落ちる。

ああ、やっぱり言わない方がよかったのかも。