キミじゃなきゃダメなんだ



「なんでとっちゃうんですかぁ」

「猫耳じゃんこれ....男がつけても気持ち悪いだけでしょ」

「ええー写真撮りたかったのに」

「撮らなくていいから!」


撮らないから、もう一回つけてくれないかなー。


先輩からカチューシャを突き返されて、渋々棚に戻す。

だけど近くに着ぐるみの帽子みたいなのを発見して、私はまた懲りずに手に取った。


「先輩、もう一回屈んで下さい」

「嫌だ」

「お願いします!撮ったりしないから!」

「........」


すると、先輩は全力で嫌そうな顔をしながらも屈んでくれた。ツンデレですね可愛い!


「今度は何....?」

「えへへー」


何を隠そう犬耳だ。

ちょっと背伸びして、彼の頭に被せる。

その間、先輩の顔が近くてちょっとだけドキドキした。



「あはは。先輩かわいー」



やっぱりイケメンはすごい。なんでも似合うし可愛い。

思わず背伸びしたまんま笑ってしまうと、彼は一瞬だけ目を見開いて、それからムッとした顔をした。