キミじゃなきゃダメなんだ




「.....むかつく、その反応」


ぷぷぷといつまでも笑っていたら、今度こそ先輩が怒った。調子に乗りすぎたごめんなさい。


「えへへ、だって嬉しくて」

「.......」


そう言うと、先輩は一瞬顔を赤らめる。

それからムスッとした顔になって、ガタッと席を立った。


「....早く、行こう。行きたかったとこ、行くんでしょ」

「はーい」


一度緩んでしまった頬は、なかなか戻らない。

先輩は不機嫌な顔をしたまんまだったけど、歩き始める前にちゃんと手は差し出してくれて、私はやっぱり笑いながらその手をとった。







「わーっ、ビター君がいっぱいいる!」



お昼の休憩のあと、目的のビター君ショップへ行くことになっていた。


入り口の扉を開けると、まず目の前にでっかいビター君のぬいぐるみが飾られていた。

おおお。このビター君、リーゼントがとてもナイスに決まってるぞ。

特別感のある赤いギターもさすがだね!