キミじゃなきゃダメなんだ



「あー、ごめん、勝手に決めて。君、いつもメロンソーダ飲んでるから、いいかなって思....」

「..........」


先輩はすべて言い終わる前に、しまったという顔をして口をつぐんだ。


....えーと。

私はそのまま『そうですね、ありがとうございます』とスルーしかけたけど、先に頭に疑問が浮かんでしまった。


いや、確かに、私は学校の自販機に売ってるメロンソーダが好きだ。

体育祭の昼休み、リレーに向けて気合いを入れるためにも飲んだし。

そうなんだけど、でも。


「.........」

「.......えっと、先輩」

「うん....」


先輩は、まるで罪を暴かれた罪人のように『終わった』という顔をしている。

私は手元のジュースを眺めながら、ぽつりと言った。