キミじゃなきゃダメなんだ



うーん、そうだな。

まず浮かんだのは、オレンジジュースとメロンソーダ。

どっちでもいいけど、気分的にはオレンジかな。


と、たぶん十秒くらいで適当に判断して、「じゃあオレンジジュースで!」と元気よく言った。

すると、何故かちょっと笑われる。


「....なんすか」

「...ううん。似合うなーと思っただけだよ」

「子供っぽいってことですかぁ!」

「ごめんって。オレンジね、わかった」


やっぱり小さく笑いながら、先輩は逃げるようにフードコーナーへ歩いていった。うう.....。


その後ろ姿を眺めながらしばらくムッとしていたけど、彼が他の席の女性たちの視線を釘付けにしているのに気づいて、さらにムッとなる。


....いや、私にムッとする資格なんかないじゃんよ。醜いな私。おいおい。


ものすごくナチュラルに嫉妬してしまった自分に、割と本気で驚いた。