そんなことを考えてはいるけど、顔はなんでか熱い。
今の『じゃあ付き合ってよ』が頭の中で繰り返される。
....うう。イケメンずるい。むかつく。
何を言っても格好よく感じる!ちょっとドキっとした!むかつく!
ちらりと見上げると、先輩はあの無邪気な顔で、笑っていて。
「百合。次、何する?」
それを見て、また心臓が痛くなった。
『君が近くにいてくれる日常を手放したくないって気持ちの方が、大きいかもしれない』
....このひとが私を必要としてくれてるってだけで、無敵になれる気がする。
私はこのひとの後輩で、友達。あと、好きな人。
彼の中で、自分の存在が思っていた以上に大きかったのがわかって、ますます苦しくなった。
「じゃあ、次はあれ!あれ乗りましょう!」
そういう気持ちを振り払って元気よく指差したのは、もちろん絶叫系。
先輩が呆れた顔で「懲りないね」と言う中、私たちはお昼までアトラクションを楽しんだ。
*
お昼を過ぎても、途中で買った食べ物を食べながら、私達は園内を歩いていた。



