キミじゃなきゃダメなんだ



そんなことを考えてはいるけど、顔はなんでか熱い。


今の『じゃあ付き合ってよ』が頭の中で繰り返される。

....うう。イケメンずるい。むかつく。


何を言っても格好よく感じる!ちょっとドキっとした!むかつく!


ちらりと見上げると、先輩はあの無邪気な顔で、笑っていて。


「百合。次、何する?」


それを見て、また心臓が痛くなった。



『君が近くにいてくれる日常を手放したくないって気持ちの方が、大きいかもしれない』



....このひとが私を必要としてくれてるってだけで、無敵になれる気がする。


私はこのひとの後輩で、友達。あと、好きな人。

彼の中で、自分の存在が思っていた以上に大きかったのがわかって、ますます苦しくなった。



「じゃあ、次はあれ!あれ乗りましょう!」


そういう気持ちを振り払って元気よく指差したのは、もちろん絶叫系。

先輩が呆れた顔で「懲りないね」と言う中、私たちはお昼までアトラクションを楽しんだ。






お昼を過ぎても、途中で買った食べ物を食べながら、私達は園内を歩いていた。