キミじゃなきゃダメなんだ



「それから友達になって、君と日常的に話すようになってからは、もっと楽しくなったんだよ。君が話しかけに来てくれたら嬉しかったし、君のことを知るのも面白かった」


先輩の口から初めて聞く、『友達になってから』のこと。

私は私が意識していなかった頃から、彼の日常に何かをもたらしていた。

私のわがままで友達になってくれたんだって思っていたけど、そうじゃなかった。


先輩は、無理なんかしてなかった。



私との日々を、彼は彼なりに楽しんでくれていたんだ。



「.....知らなかったです、先輩がそんな風に思ってくれてたなんて」


いろんな音と声が飛び交う園内を眺めながら、ポツリと呟く。

先輩は私の手に込める力を、少しだけ強くした。


「...言えばよかったね、もっと早く。不安にさせてたならごめん」

「.........」

「だから今は、君のことが好きだから手に入れたいって気持ちより、君が近くにいてくれる日常を手放したくないって気持ちの方が、大きいかもしれない」


....嬉しい、と思う。

このひとが、私との時間をこんなに大切に思ってくれていたこと。