ブーツを履いて鞄をもって立ち上がると、母はさらに驚いた。


「...え、スカート!?」

「違う、キュロット」

「キュロットとかあんた持ってたの!?」

「.....これ一個だけ...き、気が向いたから」

「まあ~珍しい!」


はは....。

私、普段制服以外でスカートとか穿いたりしないからね....。


まぁつまり、今日の私の格好は、デート仕様なわけです。


今日はついに、先輩と遊園地デートの日。

あのあと、先輩と遊園地に行くことになった、と里菜とチョコちゃんに報告したら、あのふたりは案の定私以上に興奮していた。


『ま、まじでー!?』

『汐見先輩、頑張ったわね....』


里菜はキャーキャーと叫び、チョコちゃんは汐見先輩の頑張りに涙していた。


...でもホント、あのときの先輩は頑張ってくれてた。

勇気を振り絞っているその姿が、今でも思い出せます。ああ可愛かったなぁ....